この辺りでは鯨を捕ることがある。漁船数十艘、おのおの銛をもって突き留め鯨を捕る。その大きさは四五尋、或は七、八尋に及ぶが、その際は必ず千賀氏に申して、その指揮を受ける定めである。いまも鯨の白骨が大木の朽ちたような姿で、この磯辺に数多ある。見馴れぬ人は、朽木と思ひ過ごすだろう。

真珠

師崎邊の海中にて捕る。鮑・蛤・貽貝等のうちより出づる。頗る上品なり。松岡玄達が『用藥須知』に、真珠は伊勢・尾張の産をよしとすと。また『山海名産圖會』等にも、當郡の産を尾張眞珠とて賞美せり。

棘鬣魚

鯛。師崎・日間賀邊にて捕る所で絶品とす。其味他に勝れり。又塩におして諸方へ運送す。是塩鯛の最上にして、若狭鯛、又は攝津の西の宮等にて釣り得るものにも大にまされり。

参考:『尾張名所圖會 前編 巻六』(岡田啓・野口道直、天保十五年-1844)

知多郡南知多町
種別