おわりべという。當國山に鎭座する。祭神は天香語山命・天火明命・建稻種命で、ともに尾張氏の祖神である。『延喜神名式』に山田郡尾張戸神社、『本國帳』に従三位尾張戸天神とある古社であり、近世では俗に東谷大明神と称す。國祖君の御時に、この山を掘って古い鐵の桶を堀り出し、銘があり當國明神と書かれていた。これによって當國山が尾張というように、尾張戸の神の本貫の地である事がしられ、東谷は當國の轉じた事が知られている。
こうして瑞龍院君が御鷹狩の折に、この社號を尋ねられ、式内尾張戸神社、今は當國明神と申すと説明すると、國號を称し奉るうえには金城の鬼門を守りなさるめでたき御神と仰せられて、寛文五乙巳年(1665)御修造されたことが社伝にある。
末社 中の権現は菊理姫命(くくりひめのみこと)、南の権現は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を祀る。
例祭 二月上午日・十一月上卯日。
神主 菊田氏・水野氏。
参考:『尾張名所圖會 後編 巻四』(岡田啓・野口道直、明治十三年-1880)