岩倉村。名古屋から犬山への街道にあり、町家が軒を並べる小都会である。稻置庄の一部で、前飛保村曼陀羅寺所蔵の弘治三年(1557)十月二日の売券状に、売主岩倉中島入道宗慶・同中島彌六廣正と見える。幕末頃も中島氏という農家があった。
また小兒疳蟲(幼児の夜泣きや癇癪)の妙薬保童散というものは当所の山川氏の一子相伝で、俗に「岩くら薬」といって世に知られる。そのほか大野屋の千代鶴という銘酒も、当所名産の一つで非常に評判である。
参考:『尾張名所圖會 前編 巻六』(岡田啓・野口道直、天保十五年-1844)(岡田啓・野口道直、明治十三年-1880)