糸貫川

宿る月こそ 敷物そなき

別名伊津貫川。席田郡の西にある。

『金葉』賀(大治二年 [1127] 頃)

君か代は 幾萬代かかさぬへき いつぬき川の 鶴の毛衣
藤原道経 我が君の世は、幾万代重ねるのだろう。いつぬき川の鶴の羽衣のように栄えるのだろう。

『新続古今』賀(永享十一年 [1439])

席田の 伊津貫川の河水と 住てふ田鶴と いつれ久しき
御小松院御製 席田(むしろだ)の伊津貫川の河の水と、住む田鶴の命は、どちらが長いのだろうか
田鶴の住む いつぬき川のしき波に 猶たちまさる 御代の数哉
雅明親王 しき波=次から次へと押し寄せる波

『続後拾遺』冬(正中二年 [1325])

席田の 伊津貫川の氷柱ゐて 宿る月こそ 敷物そなき
大納言成道 席田の伊津貫川の氷が固まり、そこに宿る月は、敷物は要らないほど美しく輝く

『藤川記』(文明五年 [1473])

むしろ田を 織物ならはしき波や いつ貫川の たてとならまし
一條兼良

後水尾院勅點集』(慶長16年 [1611] から寛永6年 [1629] )

晴れ間なき いつ貫川の五月雨 にほしや佗ふらん 鶴の毛衣
目野弘賢

新千載、賀

席田の 伊都貫川の敷波に 群れゐる鶴の 萬代の聲
後京極良経

参考
『美濃明細記』(伊東実臣、元文三年-1738)