横須賀村の修験大教院の境内にあり。数百年の老幹で、枝葉は大いに繁茂し、境内に朝日が昇るのを漏らさないほどである。青苔が厚くついて、掃かなくとも塵は無く、風がなくても葉の擦れ合う聲を絶えないので、琴弾の称も不思議でない。この大樹は、まことに希世の古松であり、ここに綱を繋げ松のよはひ(環)とともに、永く千年の末迄もその名を伝えるであろう。
かはらぬは みどりのみかは庭の松 風もときはに 音を聞ゆる 堀田梅衞
参考:『尾張名所圖會 前編 巻六』(岡田啓・野口道直、天保十五年-1844)