古渡のうち、犬御堂の南の西側にある。祭神は伊弉冊尊・倉稻魂命・天津彦彦火瓊瓊杵尊・猿田彦命・及び住吉四大神の五座である。

國君圓覺院殿(尾張藩四代藩主・徳川吉通)が元禄二年(1689)九月十七日、江戸四ッ谷の御館で誕生され、稻荷を故郷の生土神(うぶすな)としていた為、崇敬されていた。吉見刑部少輔幸和に命じて、丹羽郡石枕村の稲荷の社をこゝに移し、 正徳三年(1713)四月二十五日に遷座させた。

  • 末社:山王社(本社の北の方にある。本社と同時に清州から移す)。五條天神社(本社の南にある。本社と同時に丹羽郡二宮より移す)その他の末社殿宇等は、図上から見るべし。
  • 例祭:本社は二月初午日・三月中午日・四月上卯日・十一月八日、また山王社は四月中申日、五條天神社は九月十日・十二月節分日。
  • 神主:安井氏。

境内に楓の樹が多くあり、秋霜が染める時は、紅が二月の花(桜や梅)を圧倒するほどで、鑑賞の価値は並大抵でなく、風雅な人も世俗の人も遊覧に訪れる人の足跡は日に絶える事なく、占う秋の奇観、実に府下(名古屋城下)で第一である。

参考:『尾張名所圖會 前編 巻一』(岡田啓・野口道直、天保十五年-1844)

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