亀岳山萬松寺。裏門前町にあり。曹洞宗、能登國總持寺の末寺。天文九年(1540)古渡城主の織田備後守信秀が建立し、大雲和尚を開山とする。天文二十年(1551)三月三日、信秀が末森の城で死去し、この寺に葬り、その法號を「萬松院桃巖道見」といったことから寺号(萬松寺)とした。

慶長十五年(1610)名古屋城造営の後、寺をここに移し、その跡は町屋となった。今の小櫻町がこれにあたる。

  • 本尊:観音。脇士善財童子・八歳龍女。
  • 禅堂
  • 鐘樓
    • 美濃國各務郡弓削田庄佐良木郷長塚宮椎鐘。鐘銘「檀那薄田源左衞門藤原祐貞、慈能入道・禰宜藤原兼光・大工兵衞太郎藤原友次結衆(有志)五十四人。文明七年乙未(1475)十一月十八日」。
    • 尾州春日井郡高田寺鐘。鐘銘に『比良佐々下野守藤原貞則・久地野伊泉入道・赤地新右衞門吉久。大永五年乙酉(1525)十二月二十日。筆者明眞。尾州那古野庄龜岳山萬松寺第四世住持比丘大宗播老拙寄附焉。天正歳念丙戌(1586)仲春殊如意日』と彫り付けられている。
  • 高原院君御墓:國祖君(尾張藩初代藩主徳川義直)の御簾中(正室)、浅野紀伊守幸長の娘、当宗を信仰していたことからこの寺に葬る。幸長は浅野長政の子。
  • 寺宝
    • 小野の琴。高原院君がもてあそばれた遺物である。そのほか什宝、数多あるが略す。
  • 鎮守:白雪稲荷祠。
  • 塔頭:福壽院・萬年寺・永昌院・盛岩院。

参考
『尾張名所圖會 前編 巻二』(岡田啓・野口道直、天保十五年-1844)

名古屋市中区大須3丁目29番33号
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