小僧庵萩

萩ふくや堤は雨の大げしき

※詳細な場所は不明、名残も無し

安井村の、矢田川堤の松林の中にある。秋のころは府下の文人の遊観の一所なり。府は名古屋城。


『乾山紀行』

安井の里は萩が名高い。風雅の輩が打ち群れて、瓢よ、さゝゐ(酒垂:酒を入れる徳利)よ、と手毎に携えて見物する。予も通りかかり

かはす手の 樽にもありて はぎの花
也有 酌み交わす手元の樽にもあるよ、萩の花

『類題士朗叟發句集』

小僧庵にて

萩ふくや 塘は雨の 大げしき
士郎 萩が風で揺れる、堤は雨の景色

小僧庵という所から矢田川に出る道、萩原六町(約655m)、松山五町(約546m)。

守山に かゝれといふぞ 萩の雨
沙鴎 守山に…

参考
『尾張名所圖會 後編 巻三』(岡田啓・野口道直、明治十三年-1880)