月峯山松元院。九坪村にあり。曹洞宗、同所平田寺の末寺。中世の住僧は連歌を好んだ人と見えて、永禄十年(1567)の紹巴の『富士見道記』に、

卯月二十二日、今春太夫勸進能芝居より、九坪松元院に趣げり。春を送り夏を迎へたるほどゝいひて、聊送り衆あり。中にも妙國寺宗直にさへ別れ、日を暮したるに、簗田出羽守息酒爲持給へるに醉を重ねて、明日の一折に、『蜀魂聲うゑわたす門田かな』
:)旧暦四月二十二日、今春太夫勸進能芝居から、九坪松元院に向かった。春を送り夏を迎えようとする時で、見送りの衆がいた。妙國寺宗直と別れ、日が暮れると、簗田出羽守の息子が酒を持ってきて、酔いを重ねて、明日の一折に、「蜀魂聲うゑわたす門田かな:)ホトトギスの鳴き声が苗を植え広げるかのように響き渡る門出かな」

と見える。

参考:『尾張名所圖會 後編 巻三』(岡田啓・野口道直、明治十三年-1880)

北名古屋市九之坪南城屋敷45番地
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