滝水が酒に変わる孝子伝説があり、この伝説は『古今著聞集』(1254、橘成季)に収められている。

田跡川の 滝を清みか古ゆ 宮仕へけむ 多芸の野の上に

『萬葉集第六巻』(1035番)の大伴家持の歌。田跡川は今の養老川で、「宮仕へけむ」の行宮の址は不明である。多芸は養老の滝の大字名の多岐として残っている。

明治の終わり頃も安八など近郊から滝にうたれにやってきた。滝にうたれると「身体によい」「病気にかからない」などという。養老も間近な源氏橋に差し掛かると、あちこちから大きな声で互いに呼び合う。この橋まで来れば初めての人でも迷うことがなかった。一番混雑するのは農休みの頃で、滝つぼは白装束(二銭で借りる)に身を固めた男女でとても賑わったそうだ。(『安八町史』)

参考:『安八町史 通史編』(安八町、昭和五十年)724頁

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