水野山のうち、ゑつぼ山にある。ここは麓に水野川が流れ、蒼松の黛色が濃い中から、糸を引いたように溪畔に落ち、奇岩所々に並び立つ中に、眼鼻石といって双眼と鼻のような自然の穴がある大石がある。こうした石のために川水は急かれて白玉をつくり、奔流する様子は言語に絶える。またこの山につゞいて筆捨山という山は、東海道の筆捨山に彷彿とさせることから名付いたという。たいへん勝地で、玉野川におとらない絶景である。

参考:『尾張名所圖會 後編 巻四』(岡田啓・野口道直、明治十三年-1880)

瀬戸市