寄木村にある。『延喜神名式』に稻置神社、『本國帳』に從三位稻置天神としるす。『和名抄』に丹羽郡稲木(以奈木)等とあるように、古くからの地名であるので、尾張稻木別(おわりいなぎのわけ)の祖神大中津日子命を祀る社である。命(みこと)は、垂仁天皇の皇子で、『日本書紀』『古事記』等にも見える。中世に天道山高照寺という尼僧が社務を司ったが、寛保元年(1741)、社も寺も愛知郡八事村に移して、「寄木の天道」と称した。しかしこの社は旧地にも残り、稲木庄の総社である由なので、こゝをさして官社とすることも可能ではないだろうか。
参考:『尾張名所圖會 後編 巻六』(岡田啓・野口道直、明治十三年-1880)