瀬戸村にある。今は八王子社と称す。『延喜神名式』に山田郡深川神社、『本國帳』に従三位深川天神とある官社である。
神宝は狛犬一隻で、藤四郎春慶が造って奉納したといい伝わる。青薬の陶器で、たいへん古い物である。もともと二匹あったが、中世に失せて今は一匹が残る。これも足が折れて形全てではない。神酒壺一つも、同じ人の作で、共に時代のある物である。
また鐘の銘に
娑婆世界南膽部州。大日本國尾張山田郡内瀬戸村。伊勢天照大神。白山妙理權現。八王子鐘也。願以此功德。普及於一切我等與衆生。皆共成佛道。永享十年戊午(1438)十一月吉日。大檀那瑞龍集博願主敬白
と見える。むかし藤四郎が当社に参籠し、陶器の創業を祈り、満参の夜、ここから南東に非類の土ありと夢のお告げがあった。神勅に従い行ってみると、祖母懐土であったので、たいへん喜び、終にこの土を得て、皇国の陶器のさきがけを焼き出した。これはひとえにこの神の恵みで、神徳はみなが知る所である。
参考
『尾張名所圖會 後編 巻四』(岡田啓・野口道直、明治十三年-1880)