如意村のうち、大井という地に鎭座する。現在は六所明神と称す。『延喜神名式』に山田郡大井神社、『本國帳』に従三位大井天神とある官社である。『鹽尻』によると、山田庄如意村六所明神は、式内大井神社で、六躯の神形を所蔵する(男體三軀、男體三軀)とある。社説では筒男の神・海童の神・海童の神三所なりという。そうであれば、住吉・和魂・荒魂となるのだろう。

社の西に若宮と称す社もある。ここには神形二驅、男體・女體を安置する。これは神功皇后・應神天皇であるという。住吉の神に関係があるからだろう。両社の間に昔、観音堂があった。聖観音・如意輪を安置したが、如意輪は盗人に盗られてしまった。聖観音は堂が破損した後、鷄足坊に移し安置する。如意輪の像は現在、愛知郡尾頭澤妙安寺に安置する像であるとか。思うにこれは社の本地仏で、六觀音なども有ったのだろう。

昔、この村は神戸と称した。『和名抄』に、山田郡神戸とあり、大井神社の本地仏に如意輪堂があったために、村名を如意と呼び初めたと見える。『蜷川親元日記』寛正六年(1794)のくだりに、 武庫御被官尾州神戶彈正貞則、 また尾州神戶七郞などあるのは、 みなこの地の人である。

参考:『尾張名所圖會 後編 巻三』(岡田啓・野口道直、明治十三年-1880)


名古屋市北区如意2丁目1番地
種別