中村にある。龍龜山大雲院と號す。貞安和尚が開基し、織田信長が建立した。貞安は能登国西光寺の僧で乱を避けて江州に至る。信長がこれを敬し、この寺が建つ。初めは安土城の大手にあったが、天正七年(1579)十一月から八年(1580)九月にかけて完成した。十四年(1586)安土町を八幡に移す時に、この寺も今の地に移る。この寺は信長の建立で、正親町天皇・後陽成天皇の勅願所にもなった。十九年(1591)二月には「大雲院」の勅額を賜う。寺領は十八石ある。貞安は安土浄嚴院で日蓮僧と宗論を行い、勝利した僧である。
参考:『近江名跡案内図』(静里北川舜治、明治二十四年-1891)