稲生村の北にあり。大野木への舟渡ありて、稲生渡といふ。春の頃は府下(名古屋)の遊人群れ来て、凧を揚げ、瓢をかたぶけ(酒飲み)、絲竹のしらべ(絲:琴・琵琶などの糸の楽器、竹:笛・尺八など管楽器)に遲日(ちじつ:日が暮れるのが遅い春の日)を忘れる。城北の佳境で、古人の詩歌も多い。
参考:『尾張名所圖會 後編 巻三』(岡田啓・野口道直、明治十三年-1880)