富具(ふぐ)天神社、細目村にある。俗に風宮(かぜのみや)と称す。祭神・級長津彦神、『本國帳』に従三位富具天神とある。

鎮座の年紀は詳らかでない。永正六年己巳(1509)、当村の城主・緒川氏が再営した。そもそも当社は、海に迫る絶壁の上にあり、昔は往来する舶舟(大きな船)がこの社の前に差し掛かると、みな必ず帆を下して過ぎたという。これはこの神を崇敬するためであったという。『和名抄』(934)にも富具とあり、その地名が古い事が分かる。

攝社 神明祠・多賀祠・天王祠・楠祠・八幡祠・恵比寿祠・船玉明神祠・魂神祠・山神祠・富士神祠等、多い。

例祭 正月上午の日。水戸祭といい、村民が榊を取り、祭事をする。後にその神をそれぞれの私田に差し挟んだ。また六月十六日祇園會(ゑ-祇園祭)がある。

参考:『尾張名所圖會 前編 巻六』(岡田啓・野口道直、天保十五年-1844)

知多郡美浜町野間冨具崎65番地
種別