堀川の東岸に材木屋・竹屋・薪屋が軒を並べる。その内、他の国と違い、木曽山名産のヒノキの良材が多い。


昔、正萬寺町の坪井庄兵衞という者が思いがけず罪科を犯して、死刑に定められたが、國君(藩主)は聞き、「庄兵衞は俳諧はするのか」と尋ねたところ、「仰る通りで、芭蕉の門弟で杜國又萬菊丸などと申す」と聞いた。「されば先年の元旦に、

蓬莱や 御國のかざり ひの木山

という句を詠んで國を祝った者である、許せ」と仰せられ死罪を赦された。この「ひの木山」というのは、こゝの材木店を山に見立てていったものである。

参考
『尾張名所圖會 後編 巻六』(岡田啓・野口道直、明治十三年-1880)

名古屋市中区丸の内1丁目12番8号
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