久保一色村にある。『延喜神名式』に丹羽郡田縣神社、『本國帳』に丹羽郡従三位田方天神とある。当郷は往古は丹羽郡に属したと思われ、今も丹羽郡境にそう遠くない。俗に「あがたの宮」という。さてこの御神は田地の豊穣を守る女神であると里人はいい伝える。この社から三町ほど西の方の田面の字に荒田と呼ぶ地があり、ここは『舊事紀』の天孫本紀建稻種命の條に見える邇波縣君の祖大荒田命の御名に負うその本貫の地であるかと思えば確証はない。よってこの命の御女玉姫命を祀るのかもしれない。
例祭 正月十五日。男根形を表す人形を造り儲けて、村民よく笑い、祭祀が終わり神符をこの村の田毎にさし建てて、五穀豊穣をいのる。
参考:『尾張名所圖會 後編 巻三』(岡田啓・野口道直、明治十三年-1880)