京町通の東にある。浄土宗、無本寺。

國君(尾張藩主)代々の菩提所である。慶安四年(1651)瑞龍院殿(徳川光友)の父源敬公(徳川義直)の菩提寺として建立され、下総國結城の弘経寺の廓呑(くわくどん)和尚を招請して開山とした。同五年(1952)二月堂宇の整備が整うと、廓呑は上京し、六月二十二日参内して、住僧代々賜紫勅許の綸旨を拝受して帰った。

境内は広大で、國君代々及び簾中方(側室)・連枝方(分家)の廟・霊屋をはじめ、堂宇がたいへん多く、善美を尽くし、また寄附の宝物は少なくないといっても、忌諱を犯す事を畏れて略す。

  • 本尊:阿彌陀佛は烏佛師の作、廓呑所持の霊佛である。烏佛師は聖徳太子と同じ時の人である。
  • 経蔵に掛けられている轉法輪藏の額 智恩院尊超法親王の筆。
  • 鐘樓の洪鐘:慶安四年(1651)五月七日林道春の銘で、『羅山文集』に載る。惜しいかな天明五年(1785)正月二十三日に焼失した。今の鐘の銘は細井德民の作である。 文は略す。
  • 塔頭七宇 惣門と棧門の間の両側に並ぶ。
    • 正信院 竹腰山城守正信建立。
    • 宗心院 成瀬隼人正虎建立。
    • 全順院 寺尾土佐守直龍建立。
    • 甲龍院 志水甲斐守忠政建立。
    • 養壽院 阿部河内守正興建立。
    • 光壽院 間宮大隅守正照建立。
    • 誓安院 渡邊右馬允守綱建立。
    • 他は図から知るべし。
陳元贇の墓

境内に明人陳元贇の墓がある。彼については陳元贇寓居跡にも詳しい。

展陳元贇墓 乾堂
虎林殊域客。流寓百餘年。絮酒醉今日。吟詩感斷編。

(:陳元贇の墓に参る 乾堂
虎林という異国のお客。流れ眠ること百年余。絮酒を今日、お供えして生前の徳に報いる。詩を吟じて、その一部を感じる。

参考
『尾張名所圖會 前編 巻二』(岡田啓・野口道直、天保十五年-1844)

名古屋市東区筒井1丁目7番57号
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