長田(おさだ)蟹は、野間の海浜に生息する。甲には人の顔のような紋がある。これは、長田忠致が頼朝公に誅せられた時の怨魂が、化して蟹となったと、里人の間ではひとえに言い伝えられている。しかし、『蟹譜』では、いわゆる虎蟹であって、攝州(摂津)の島村蟹や西海(瀬戸内海)の武文蟹と同じ種類で昔からある物であるが、天が長田の非道を憎み、人々の口をかりて、後世にその悪名を伝えさせたものだろう。恐るべし、つつしむべし。

『名所小鏡』
萍(うきくさ)も たのみがかたさよ 長田蟹

参考:『尾張名所圖會 前編 巻六』(岡田啓・野口道直、天保十五年-1844)

知多郡美浜町野間中新田92番地1
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