大高村にある。氷上神社と称す。 熱田七社の一つ。 祭神は宮簀媛命。 『延喜式』(延喜5年=905年編纂開始、延喜年間)に火上姉子神社、『本國帳』(平安中期)に正二位氷上名神とある。『神皇正統記』及び『熱田縁起』等には、皆稻種の妹とあるが、「姉子神社」の称号は、稻種の姉妹の論ではなく、夫のない少女を「姉子」と称したことに由来すると思われる。
日本武尊が東征した時(景行天皇40年-110-前後)、この地でこの媛命(祭神)を慰め、別れに臨み、神剣を留め置かれた。尊が崩御した後、この媛命は社地を選び、神剣を安置した。この伝承は、熱田の條に詳しいので、ここでは略す。
当社は仲哀天皇の御宇(192-200)、社を沓脫島に遷し、同帝の四年(195)に再び今の地に遷された。社地は広大で、千年の古木が枝をたてて深碧を重ね、日暑を漏さない。青蘚厚く地を覆い、物寂しいさまは、さながら神徳のほども推しはかられて、いと尊く感じられる。
神寶 太刀一振。平治年中(1159ー1160)、義朝が当国知多郡に下り、当社に後榮を祈った時の奉納であるという。
例祭 八月朔(一)日、花車・ねり物を出し、また馬の頭多く出す。
攝社 八劍社・源大夫社・紀大夫社・廣田社・稻荷社・山神社・天王社・白山社・白鳥社、已上
九社。今は廢して社地のみ残る。
元宮 上古に氷上が鎭座した地をいう。
常世社 宮簀媛命の荒魂にを祀る。すなわち墓地であり。故に陵(みささぎ)と通称する。
朝苧社 火高大老婆の靈を祭る。大老婆は火高の里の地主だったという。
姓社 火明命と天香語山命と二座を配せ祭れり。二神ともに尾張姓の神なれば、大姓社とも称す。
濱社 鹽土翁を祭る。
雨請社 星社左右二社あり。
祠官 久米氏。
朝苧社 火高大老婆の霊を祀る。大老婆は火高の里の地主であったという。
姓社 火明命と天香語山命の二座を配祀する。両神とも尾張姓の神であるため「大姓社」とも称する。
参考:『尾張名所圖會 前編 巻六』(岡田啓・野口道直、天保十五年-1844)